ディズニーランドでも大人気の定番アトラクション、スプラッシュマウンテンですが、
元となったストーリーの原作についてあまり見聞きしたことはない方が多いのではないでしょうか。
今回は、元ディズニーワールドキャストの筆者がスプラッシュマウンテンのストーリーと豆知識について詳しく書いていこうと思います!
スプラッシュマウンテンのアトラクションストーリー
ここで、アトラクションのストーリーを軽く振り返ってみましょう。
うさぎどんは、自分の家を出発して
「笑いの国」を目指して度に出ます。
しかし、うさぎどんの背後には彼を狙う二匹の影が…
それが、クマどんとキツネどんです。
一度は縄でうさぎどん捕まえようとするも逃げらてしまいますが、
蜂の巣を使ってうさぎどんを捕まえます。
(ここらへんでライドが坂を登っていくのでドキドキします…笑)
そこでうさぎどんが「お願いだから、あのいばらの茂みにだけは投げ込まないで~」
と言っていますが、
キツネどんが投げ入れてしまいます。
そのいばらの茂みに入るとなんとそこが「笑いの国」なのでした。
………
アトラクションに乗っていると、こんなストーリー展開でライドが進んでいくかなと思います。
ちょっと腑に落ちないストーリー?を更に解説
このアトラクション。
ちょっと乗っただけだと「ストーリー展開が腑に落ちないな…」
と思いませんか?
特に、
いばらの茂みに飛び込む(ジェットコースターが落ちる)手前で、
「お願いだから、あのいばらの茂みにだけは投げ込まないで~」
と、うさぎどんが言ってるのに、
なんでいばらの茂みに落っこちたら「笑いの国」なの!!??
なんでこんな急にハッピーな雰囲気で終了~になっちゃうの!?
…という謎。笑
私は元のストーリーをちゃんと知るまで
急展開すぎてついてけないよ!
と思っていました笑
…ので、ココで解説していきます。
まずは、いばらの茂みがミソ。
これが実は、うさぎどんの家なのです。
アトラクションの中でも、
うさぎどんが「旅に出るぞー!」と息巻いている背後にある家にいばらが絡んでいます。
実は、原作ではうさぎどんは自分の住む場所に嫌気がさして
「もうこんな、いばらの家なんて嫌だ!笑いの国を探すんだ!」
と言って旅へと出発。
ところがキツネどんとクマどんに捕まってしまい、絶体絶命。
ほんとは、自分の家だけれど、それを知らない二人に
うさぎどんは「あのいばらにだけは絶対投げ込まないでー!」と懇願します。
これまで、まんまと逃げられてきたうさぎどんを懲らしめたい二匹は、
そう言われるなら…と、うさぎどんをいばらに投げ込むのです。
策略がうまくいって、結局は自分のいばらの家に戻ってきたうさぎどん。
すると、仲間たちが皆でうさぎどんを出迎えてくれます。
そこで、笑いの国が、自分がこれまで住んできた場所であったことに気づく…
という話なのでした。
スプラッシュマウンテンの原作は?
TDLのスプラッシュマウンテンは、なくてはならないメインアトラクションのひとつですが、
意外と知られていないのが原作。
原作は『南部の唄』というタイトルの実写映画で、
アメリカ南部の農場が舞台。
黒人のリーマスおじさんと、白人の少年が心を通わす心温まるストーリーです。
うさぎどん達は何処に出てくるのかというと、
この黒人のリーマスおじさんが話す、
おとぎ話の登場人物として出てくるのがスプラッシュマウンテンに出てくるキャラクターたちなのです。
この映画は実写映画ですが、リーマスおじさんが話すおとぎ話はアニメーションになっていて、
他の映画で例えるなら「メリーポピンズ」的な感じに実写の人物とアニメーションのキャラクターたちが登場します。
『南部の唄』はなぜメジャーじゃないのか
スプラッシュマウンテンは世界のディズニーパークにもある人気のアトラクション。
アトラクションのテーマソングにもなっている
「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー(Zip-A-Dee-Doo-Dah)」はアカデミー賞の歌曲賞、
リーマスおじさん役のジェームズ・バスケット(James Baskett)さんは特別賞を受賞しています。
けれど、日本では『南部の唄』という映画のタイトル自体、聞いたことがないという人が多いのではないでしょうか。
それは、アメリカの黒人奴隷制度などが関わる歴史的背景に関係があります。
ただし、黒人奴隷の描写がNGだった、というわけではなく、
映画の中で
黒人と白人が対等に話をしていて、
それが歴史への誤認に繋がる
といった旨を、全米黒人地位向上協会が訴えたからでした。
それ以降、ディズニーの自主規制により『南部の唄』は公開されず、
日本でもビデオが販売されていたものの、現在では廃盤になってしまいました。
私は運よく、『南部の唄』のビデオを持っているのですが、
登場する白人の少年の母親役などは、黒人のリーマスおじさんに対して結構厳しい態度だな~
と思っていましたが、
あの態度でも「対等に話している」という認識になるとは…
アメリカの黒人差別の歴史的な根深さを感じますね。
まとめ
スプラッシュマウンテンのストーリーとその裏側が分かると、
いつも乗るアトラクションも違った見え方がしてくるのではないでしょうか。
次回、ディズニーに訪れる際には、このストーリーを思い出して、
楽しさも倍増すれば幸いです。
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